2019年05月10日

短命にて

ブッカー・リトルはわずか23歳でこの世を去ったトランぺッターですが,リーダー・アルバムの数点,またサイドマンとして参加した作品において,大きな存在感を示しました。

N0876.jpgとりわけ,10歳ほど年上の荒ぶる神エリック・ドルフィーを<手なづける>ことができたのは,おそらく彼ぐらいであり,ドルフィーのバスクラ,アルト,フルートいずれの楽器にもぴったり息のあったアドリブを展開してくれる,相性が最高の相棒だったのです。

同じ楽器の短命の先輩には,古くはビックス・バイダーベック,近くにファッツ・ナヴァロとクリフォード・ブラウンが。彼らもみな20代で鬼籍に入りましたが,ブッカーも含め共通しているのは,音色が飛びぬけて澄みわたって美しかったこと。

余計なことを考える必要もなく,また力量のおとろえを技巧などでごまかす必要もない年頃だったので,にごった音がまぎれこむ余地が一切なかったのでしょうね。

ブッカーの音色には,どこかかなしみのようなものが漂って聴こえてくるのは,やがて自分に訪れるであろう運命を薄々悟っていたからなのでしょうか。


2019.5.10 ひふみ
posted by Don and Mama Mind at 21:07| 諸々 | 更新情報をチェックする