2019年07月13日

決戦

うまくいくときは,立ちはだかる難所もあっけなくするりと抜け,何事もなかったかのようにゴールにたどり着けることができるものです。それとは逆に,準備万端すみずみまで目配りしたはずなのに,思いもよらぬところでつまずいてしまい目標の半分にも達しないことも。

N0884.jpg まずはタイトル挑戦者となることを多くのファンから望まれ,本人もそれを意識して強く望んでいる聡太君ですが,今まで予選あるいは本戦の早い段階でつまずいてしまい,どうしても初志を貫くことができません。駒の神様が,<聡太よ,お前はまだ若いのだから大いに苦しむべし,楽はさせてやらんぞ>,と試練を課しているのかもしれませんね。

 聡太君が年度内に挑戦者となって獲得できる可能性があるタイトルは,竜王戰と王将戦の2棋戦のみ。くしくも優勝賞金が最高値と最安値のタイトルですが,竜王戰への挑戦がにわかに現実味を帯びてきました。残り4連勝(ないしは4勝1敗)のところまでこぎつけたからです。

直前の久保9段戰では,押し切り勝ちをはかったものの逆に押し戻されてしまい,最終盤で自分の玉に詰みがあることを聡太君は発見し負けを覚悟したようですが,久保9段がそれを読み切れず再逆転での勝利という僥倖に恵まれました。このような運のあるときは弾みがつくものです。

されど,次の相手はトヨピーこと豊島名人,勝ったとしてもその次は魔太郎こと渡辺3冠が待ち構えています。更には,この両者に勝つことができても,決勝トーナメントの別の山からおそらく,軍曹こと永瀬叡王,またはオジオジこと木村9段いずれかが勝ち名乗りをあげてくると思われるので,いずれかの勝者と3番勝負を行って2勝しなければなりません。

現時点の最高実力者をすべてなぎ倒さない限り挑戦者にはなりえぬ厳しい戦いとなりますが,7/23(火)10時から豊島名人との決戦が予定されています。アベマTVで実況中継,視聴者数200万超えはまず間違いないところでしょう。

豊島名人との公式戦は2年前に1局あり,このときはコロリと負かされてしまいましたが,昨年新人王を獲得した聡太君と豊島2冠との記念対局では抑え込んで勝っていること,また現在のレーティング評価でもほぼ互角であることを考えたら,手に汗にぎる接戦となりそうなので今から楽しみです!

7月13日 あいう
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2019年05月12日

ぐんそうU

トヨぴー,魔太郎,ぐんそう,いま押しもおされぬ3強であることに異存のある人はいません。同時に,プライベートな強さの指標でもあるレイティング上位3者もこの3強。

昨日ぐんそうが叡王を奪取し,トヨぴーもあと1勝で名人を取れば計3冠,魔太郎はトヨぴーのもつ棋聖への挑戦が間もなく始まるし,残りの竜王や王座への挑戦も視野に入ってきているだけに,8大タイトルはすっかり,この3強が奪いあうという構図になってしまいました。
N0872.jpg

 ところで聡太君は,このレーティングの物差しでは,現在この3強の直後につけており,タイトル挑戦まじかということは衆目の一致するところですが,いつも肝心な所で遅れをとってしまい,いまだ果たせず。

 ぐんそうとは非公式戦で一度だけ闘い敗れはしたものの,魔太郎には朝日杯の決勝で,トヨぴーには新人王記念対局で,ほぼ一方的に降していることを考えたら,もしかりに予選なしでいきなりタイトル挑戦できたなら,8つのうち半分ぐらいは取れても決しておかしくありません。

とはいえ,芸能界や格闘技のタイトルマッチのように,いきなり夢のようなシンデレラ・ストーリーが訪れないのが棋界の厳しいところ。みなが平等に闘い,勝ちぬいたあとでないとチャンスがめぐってこないのです。

3強がしのぎをけずる体制がしばらく続くのは間違いないのですが,聡太君にはタイトル戦という土俵で,この一角を崩して欲しいものです。

ひふみんによれば<肉を切らせて骨を断つ>のが聡太君の真骨頂であり,それゆえ見るものを惹きつけてやまないのですが,簡単に勝てそうな相手に対しても,負けてしまいそうな場面がよくあるのも事実。3強いずれも,負けることがあるのだろうかと思わせる鉄板の強さをまのあたりにしているだけに,聡太君が時おり見せる紙一重の神業のような勝ち方はやや不安がないこともなく。

ただ,3強+聡太君の戦いは,令和の時代も見るものをうならせてくれるのは間違いないところ。

まずは,ぐんそうvs聡太君の公式対局が実現してくれるとよいのですが,年内に可能性があるのは,竜王戰の決勝トーナメント,王座戦の挑決トーナメント,王将戦と棋聖戦の2次予選あたりでしょうか。もちろん,お互い勝ち進んでいかないことには,その目がないのは言うまでもありません。

2019.5.12 あいう
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2019年04月24日

ぐんそう

ラーメン店を営むお父さんが不惑の頃に彼は誕生しました。
一家のあるじとしての責任,また,ラーメン作りの腕をより一層みがくため,彼が10歳になったとき,お父さんはすでに50歳を過ぎた身でありながら,修行の行脚に出かけたそうです。

そんな父の後ろ姿をずっと見続けてきた彼は,父を誇りに思い,この上なく敬愛しています。叡王戦というタイトル戦への挑戦が決まったあと,主催者のPVには,お父さんの店で,鉢の隅に焼きのりを数枚立てかけた煮たまご入りのラーメンをじつに美味しそうにほおばる姿が。いま60半ばを過ぎながらもお父さんは,中々の男前で美丈夫,どこか似ている。

N0866.jpg彼の名は永瀬拓矢7段,4月に始まったばかりの叡王戦では既に2連勝,このままあと2つ勝ち進みタイトルを奪取しそうな勢いです。穏やかで年齢よりはずっと若く見えるのに,ついたアダ名が<軍曹>,されど本人はいたく気に入っている様子で<もっと『階級』を上げることができるようがんばります>という大人のこたえが。

永瀬さんは,17歳でプロデビューしたことから見れば,本来なら天才肌であってしかるべきなのですが,本人は至って謙虚で,努力や根性という言葉を座右の銘にしているとか。デビュー間もないころ,アマに敗れたことを鈴木9段にきつく叱責されたことがきっかけで,目覚めたということのようです。

また,聡太君とも個人的な研究会を持っているらしい。

かって,聡太君がデビューしたての14歳のころ,アベマTVの企画で始まった<炎の七番勝負>の2戦目の相手が永瀬さん。ここで軍曹は聡太君をやりこめ,七番勝負で唯一の勝者となったのです。聡太君はこの一敗を喫した後,斎藤現王座,中村前王座,深浦9段,佐藤会長,羽生(当時)3冠を破って,世間を大いに騒がせたことは周知の通り。

おそらく,このときの感想戦などを通じて,永瀬さんは聡太君のたたずまいを知ったようです。<噂通りなんとおそろしいほど才気あふれる少年なのかと驚きつつも,生意気で天狗みたいな子と思っていたが,いや全然違う,俺以上に真摯で謙虚な子だ>,これがもとで個人的な交流を申し出たとか。

公式戦の対戦はまだ実現していませんが,いずれどこかで,いやがおうでも顔をあわせるはず。
肌合いの全く異なる天才同士の決闘がアベマTVで放映されたなら,視聴者数の3M(3百万)超えも決して夢ではない黄金カードになることでしょう。

(PS)主催者のHPに掲載された第4期叡王戦本戦に登場の全24棋士に対して行った白鳥士郎さんのインタビュー記事を参考にさせていただきました。

2019.424 あいう
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2019年04月15日

フィッシャールール

Eスポーツとは,コンピュータ・ゲームをスポーツ競技としてとらえたときの呼び名。実際にプロ化も進んでいて,花形プレイヤーになれば破格の高収入を得ることも決して夢ではないので,この方面で生計を立てようとする若者がどんどん増えているようです。

チェスなどとともに五輪の種目に加えてみては,などの議論も取りざたされており,そうなると,わが日本こそがまぎれもなく世界一と誇ることのできる将棋もなんとかならないものかと?

ただ,問題が多すぎるのです。まず駒の表記が漢字であること。次に駒の動きが成りも含めて複雑すぎるし,取った駒が使えたり打ち歩詰めはダメなどルールがめちゃくちゃ難しすぎること。そして何より,日本人以外に親しむ人が滅多にいないこと。

おまけに将棋といえば対局者同士がしかめっつらで長時間じっと考えたままで動かない,なじみない人には,はてしなくインキクサー。スポーツという観点では,見る者を惹きつけてやまないスリリングな場面が自然発生することが必須ゆえ,これもなんとかせにゃ。

実現へのハードルは高すぎるのですが,むちゃくちゃなのを承知のうえ以下の提案を。(あくまでも,Eスポーツを前提とした暴論です)

ルールを変えてしまうことはゲームの性格上NGなので,とりあえずそのままにしておき,まず駒の表記はグローバル化=競技人口の増加のためには,とりあえずアルファベットにしてしまおう。

玉<Z>,飛<H>,角<K>,金<A>,銀<B>,桂<C>,香<D>,歩<E>とし,飛・角の裏は<白抜きH,K>,銀・桂・香・歩の裏は金になるので<白抜きA>にすればよし。これで随分親しみやすくなるはず。

そして,インキクサーをとりのぞき勝負をエキサイティングなものにするのは比較的簡単なこと。去年アベマTVで企画された<フィッシャールール>による超々短期決戦にしてしまえばよいのです。

このフィッシャールールとは,持ち時間が5分,一手指すごとに持ち時間に5秒が加算されますが,やはりちょっと考えているまに時間はすぐ無くなってしまいます。このルールだとだいたい20分前後という<飽きのこない>時間内に決着がつき,更に持ち時間が10秒足らずとなったときの必死の形相は,最終ラウンドで死力を尽くして殴り合うボクサーのようなド迫力も。

知力・体力・瞬発力を極限まで出し尽くしたところで勝負が決するという点では,まさしく知の格闘技であり,観る者を感動させること疑いなし。

ただ,くり返しになってしまいますが,最大の問題点は,<観てわかり面白いと感じる>ことのできる人を世界でどれほど増やすことができるかということ。同時に,老若男女をとわず世界に広くプレイヤーが出てくることも必要ですね。

そのためには,現在のあまりにも安すぎるタイトル戦の賞金は,少なくとも今の10倍ぐらいにドーンとアップしなければなりませんね。魅力的なインセンティブがないと,日本はむろんのこと,海外の才能ある若者たちをひきつけることはできません。

(PS) この4/28からフィッシャールールによる<第2回アベマTVトーナメント>が始まります。ちなみに第1回のチャンピオンは聡太君でした。

2019.4.15 あいう
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2019年03月10日

快挙なるか

趣味は何かと問われ<クラシック音楽です>と答える青年が,自分の部屋でごろりと横になっているスナップ・ショットをのせた週刊誌に目を通したとき,思わず<これで24歳かよ,おっさんみたいだな>と感じたことを覚えています。

おっさんみたいとは<年齢不相応の老成したおもむき>をうらやむホメ言葉でもあり,その青年とは大山康晴さんという巨大な牙城にいどみフルセットのすえ名人位を奪取したばかりの中原誠さん。

この中原さんの今まであまり知られていなかった偉大な記録は,年間最高勝率。
<そんなこともあったかな。その頃,年間勝率という記録など誰も注目していなかったので,すっかり忘れていたよ>,とは当人の弁。

されど,この記録が半世紀を超える時がすぎた今,燦然と脚光をあびることになったのは,聡太君のおかげです。

聡太君は明日,久保9段(前王将)との対局がありますが,そのほか対局者と対局日が未定の2戦,対局日未定の1戦があり,このいずれかの対局が3月中に組まれる可能性があり,また既に対戦の終わった銀河戰(勝敗は不明)がおそらく2戦あったはず。

これらすべてが今年度の成績に加算されるとすれば残りは最大で6戦ということに。

もし,この6戦が今年度に算入される場合,全勝できれば歴代勝率が中原さんを抜いて第1位,1敗なら勝ち数・負け数が全く同じの同率1位に。デビュー以来<なにか持ってるぞ>と感じさせてやまない聡太君だけに,全勝で快挙をなしとげてくれそうな気がします。

おまけに,中原さんが年間最高勝率を達成したのはプロデビュー3年目のこと。同じ10月デビューで3年目という点でも両者は一致しているので,その意味でも興味深いこと。蛇足ながら,中原さんも聡太君も春先の花粉症になやまされているのも,これまた同じ。

そのためには,まず何としてでも久保9段に勝たなければなりません。先日渡辺棋王に4連敗して王将のタイトルを失ってしまいましたが,振り飛車の強豪であることに変わりなし。公式戦では初手合いとなりますが,2年前の非公式戦(プレミアムフェス in 名古屋 2017)で勝利したことも。明日10時のアベマTVがなんとも待ち遠しく。

2019.3.10 あいう
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2019年02月23日

師匠

聡太君の師匠である杉本昌隆七段が昨日八段に昇段したとのニュースがネットにアップされていました。おそらくは銀河戰という衛星放送の棋戦で前撮りとして2局の対局があり,そこで連勝したものと思われます。

昨年12月,聡太君が最年少100勝を達成したときも銀河戦の前撮りでの連勝だったので,奇しくも師弟がまったく同じ機会で成し遂げたのは偶然とはいえ,どこか運の強さを感じてしまいます。

次の師弟そろっての大勝負は,来月5日に行われるC1順位戦のオーラス。
現在1敗者が師弟を含め4人で並んでいます。近藤5段と船江6段が負け,師弟が揃って勝つ,という場合だけ同時昇級できるというきわめて厳しい状況となっています。

のみならず,この1敗者4人が全員負けてしまい,現在2敗者の1人が勝つとまた別の結果にも。順位戦のとりわけ最終戦にはさまざまなドラマが展開されることも多いので,どのような結果が待ち受けているのかは予想できません。

師弟そろって同時昇級する可能性も確率が低いとはいえなきにしもあらず。また,聡太君はここで足踏みしてしまうと,ひふみんの全クラス1期抜けという壮大な記録に追いつくことは不可能となってしまいますが,まだ16歳なんだから,ちょっとくらい寄り道したって大丈夫ですね。

2月23日 あいう
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2018年12月04日

つんどく将

あの人はなんだか自分に好意をよせてるみたいだな,その子とこの子は間違いなくオレのファンっぽい,などというのは誰もが何度か経験することですが(やや自分勝手に),人生にチョッピリ楽しみを与えてくれることでもあり,なかなかよいものですね。ファンとは,相手が誰であれ,またどのような形であれ,うれしいもの。

<見る将>という一風かわった名のファンが現われました。

なんとなく想像できそうですが,それは,そもそも勝ち負けのルールなんかは全く知らないのに,会場に出かけていって対局者の様子を見るだけ。あるいはアベマTVやニコ生で実況中継されたりすると,昼ごはんや夕食で食べたものが何だったかとか,解説者が話す対局者にかかわるプライベートなこぼれ話など,そっちのほうばかりを聞くだけ。こんな,まるでミーハーな,にわか将棋ファンのこと。

これはやはり昨年来,聡太君の活躍と歩調をあわせているようです。

とりわけ女子に多く,かわいい乙女,若いおかあさん,ベテラン主婦,少しお歳をめされた女子など,まんべんない急造ファンは,<みる将なんですよ>,と誰かがふともらした言葉が,なんとも新鮮的確だったので,いつのまにか誰もがなんの違和感もなしに<見る将(対局者の様子を見るだけの将棋ファン)>と自称するように。

いわゆる<おっかけ>ほど深刻なものではなく,女子の控えめな愛らしさが,にじみでています。

私なんかも<見る将>の部類で聡太君の対局の日は欠かさず見ています。ただし,さすがにぶっ通しはしんどいので,最初と最後だけ。好きな棋士は,故人では升田幸三さん,今の棋士なら聡太君,慎太郎王座,(佐々木)大地君。また,キャラという点では,ヒフミンとまるちゃん(丸山忠久さん)でしょうか。N0810.JPG

ただ,にわかファンではなく,社会人となってしばらくした頃,将棋というより<棋士のたたずまい>に興味を覚えた時期があり,そのため絶対に読みもしない棋書を買い集めては書棚にかざっておくだけという,いわば<(本を)積んどく将>であったのも確かなこと。

引っ越しやリフォームの際に書籍類はあらかた処分してしまったのですが,棋書の一部はなぜかそのまま残されていました。その中には,<天野宗歩(中原誠)>や<六代大橋宗英(米長邦雄)>なんかがあって,当時の購入価格は2400円だったのですが,アマゾンなどで調べてみたら,前者は5200円,後者は16180円の値がついていたのです。

なんだか<つんどく将>の面目が少し立ったような気がしてきて,なにげうれしくなってしまいました。

12月4日 あいう
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2018年11月20日

試金石

弱冠16歳の聡太君が最年少記録を次々に更新するたび,それまでの記録保持者が紹介されることになりますが,そのほとんどは,昨年引退した”ひふみん”こと加藤一二三さん。その都度,引き合いに出され,ひふみんって,バラエティおじちゃんなんかじゃなく,本当はすごい棋士だったんだということが何度も再認識されることに。

ひふみんが偉いと言われるゆえんは数々あれど,やはり一番偉大だったのは,順位戦をすべて<一期抜け>して18歳でA級棋士となったこと。もし,聡太君が同じように一期抜けを続け18歳でA級棋士になれたとしても<月数>でわずかに及びません。

今後タイトルに挑戦し奪取,防衛できれば,<最年少の8段>,には先着できる可能性があるとしても,<最年少のA級棋士>,はすでに不可能ということ。(この辺の仕組みは複雑ゆえ割愛)

今日はアベマTVとニコ生で聡太君の対局が放映されます。
C1クラスの順位戦で相手は増田6段,聡太君がデビューする前年まで<最年少の東の天才>とうたわれた逸材にして,真の強敵。公式戦では1勝1敗,非公式戦は聡太君が1勝。

順位戦は持ち時間が6時間なので,午前10時から開始しますが,終わるのは早くて午後10時前後,状況によっては日をまたいだりすることも。娘をJR奈良駅に送り出した後,家に戻るのは10時すこし前。両者はすでに着座し,開始時刻を待っているはず。

さすがに,朝の10時から終わりまで<見っ放し>はできません。それに,午後の時間帯は中盤の難所で,私のように棋力のない素人にはむづかしすぎて,さっぱり分かりません。

なので,中間は飛ばして,バイトがあればそれを,なければいつものようにワイドショーを見たりすることに。見たとしても,聞き手の女流と解説棋士が交わす,対局とは無関係なよもやま話(これが結構面白い)なんかを聞くばかり。

やはり,観戦しておもしろいのは勝負の決する終盤。夕飯と入浴などが終わってしばらくたった午後9時あたりから。

もし,ここで聡太君が負けてしまうと,C1クラスは超激戦区ゆえ,一期抜けに黄信号がともってしまいます。ひふみんに肩を並べるためにも,ここは負けられないところ。年が明けてからも,若手実力者の近藤5段や都成5段との対戦も残っていますが,やはりこのクラス最強のライバルは増田6段です。

更に3日後は,叡王戦の本戦で,更なる強敵・斎藤新王座との対戦が待ち構えています。11月の対局はこの2局だけですが,聡太君の今後を占う上でも<試金石>ともいえる重大な一戦。結果は4通りですが,観る者を感動させてやまない熱戦を期待しましょう。

11月20日 あいう
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2018年09月25日

いけそうた

今日は聡太君が出場できる最後の<新人王戰>で,相手はこれまで2戦2勝なるも若手強豪の青嶋未来5段。
ここで勝てば次は,すでに勝ち上がって相手がどちらになるか見守る奨励会の出口3段との新人王決定の三番勝負。

ところが,今年の聡太君は,昨年ほどの爆発する華々しさがありません。

棋王戦の本戦で菅井王位にころりと負かされ,王位戦の予選は優位だったはずの形勢を損ね山崎8段に逆転負け,続く叡王戦の段位戦でも,気のいい勝負師デカコバ(小林裕士)七段にポンポコで3500点以上の大差をつけられ大苦戦,相手のちょっとした対応ミスに乗じ,なんとか逆転勝ちしましたが,かように精彩をやや欠く状況。

まだ16歳の高校生棋士なのに,勝率も相変わらず8割以上をキープしてるにもかかわらず,それ以上の高みを望むのはあまりにもコク。されど,やはり圧倒的なパフォーマンスを,いやが応でも期待されてしまうのが,つらいところ。

アベマの視聴者数も聡太君の対局時には,昼過ぎには●●●K(数十万)に達し,終盤に近づくと大体1M(百万人)を超える驚異の集客力。これを見ても期待の大きさは一目瞭然。

対前年比で対局数が減ってしまったのは,出世があまりに早すぎて段位制限のある「加古川清流戰や上州YAMADAチャレンジ杯」の出場資格を失ってしまったこと,予選や本戦のしょっぱなで超実力者にあたってしまうめぐりあわせ等も影響しているかもしれません。

ただ,非公式戦のAbemaトーナメントでは,予選で近藤誠5段→ハッシー8段→増田6段に快勝,準決勝でも高見叡王を負かし,本トーナメントの発案者でもある羽生竜王を破って決勝にコマを進めた,昨年30連勝を阻止した<宿敵>佐々木勇気6段を,難なくしりぞけ優勝してしまったあたり,やはり相変わらず尋常にはあらず。

今年一番残念だったのは,王座戦の挑戦者決定戦の一歩手前で,奈良市出身のナイスガイ斎藤慎太郎7段に負けてしまったこと。

その慎太郎7段は続けて渡辺棋王をも破り中村王座への挑戦権を獲得,現在2連勝でタイトル奪取まであと一つ。もし,あの時勝っていたならば,16歳でのタイトル初挑戦もあったかな?されど,これは取らぬ狸の皮算用というもの。

どこかでひょいと檜舞台に立ってしまう<生まれ持ったもの>を持つ聡太君だけに,まず,とりあえずは,来年以降はいくら欲しくても手の出せない新人王をサラリと獲って,ニュースや昼のワイドショーなんかで
<最後の機会はのがさないぞ!新人王を奪取>などと報じられるにしようではないか。

決着がつくのはは夕方6時前後か。出だしは矢倉模様。両者の熱戦を期待したいですね。行けいけ,聡太君!

9月25日 あいう
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2018年04月08日

聡太の名を美輪さんが

朝のTV番組でふと目にした,美輪明宏さんと真矢ミキさんの対談。美輪さんの姓がまだ<丸山>であった白黒テレビの時代から傘寿を超える今なお,現実を超越した異次元の魅力は絶えることがなく,また,話す中身も世をしっかりと見据え,奥行きのなんと深いことか。

印象に残ったのが,<いまの不幸はデジタルのせい。だから無意識のうちにアナログへと回帰している>,そのような趣旨の発言を聞いて成程と。そして,<アナログのいやし>を体現しているアスリートなど何人かの名前をすらすらあげていったのですが,真っ先に<藤井六段>を指名したのには,ぎょえッとビックリ。

美輪さんは,まだ現役の舞台に活かせるものなら何でも取り入れようとする努力を欠かすことがなく,世の動きなどにはことさら鋭敏なのかもしれません。ニュースでこれでもかという位よく出てくる藤井聡太君のことは否が応でも,目に入り耳にも聞こえたはず。

ただ,<どうでもよい小僧>という印象なのであれば,将棋という全く無縁のジミな世界での出来事ゆえ,なんでもない事で済ましてしまった(無視した)かもしれません。

されど,天才は天才を知る,といわれるように,あの朴訥で親しみやすい表情ながらも,時折キラリと見せる,射るような眼光に,自分と同じような異次元のただならぬ才質を感じ取ったのかもしれません。勿論これは私の勝手な推測ですが。

この聡太君の凄さと強さを示すのは,29連勝とか,羽生さんを破ったとか,4部門全部1位,というキラキラしたキャッチフレーズより,むしろ幾つかの私的なサイトで運営し,ネットで公開している<棋士レイティング>のほうかもしれません。

1500を初期値とし,対戦の勝ち負けで値が増減します。自分よりレイティングの高い相手に勝てば大きく増加し,低い相手なら増加は少しだけ。また逆(負けたとき)も然り。これを一戦ごとに積み重ねていくものです。

これが,現時点における<真の強さ>を示すバロメーターなのかもしれません。あるサイトにおける聡太君の順位は現在,豊島8→羽生2冠→永瀬7→稲葉8→広瀬8→久保王将→菅井王位に続き第8位。これは極めて説得力のあるオーダーと思われます。(参考までにこちらを → http://kishi.a.la9.jp/ranking2.html

とは言っても,来週10日には,竜王戰のランキング戦で阿部光瑠6段との一戦が。ここで勝ち,さらにもう一勝できたなら,わずか1年半で4段から三段跳びで一気に7段へ。レイティングという渋い評定も悪くはないが,やっぱり,こちらの方がディープなインパクトがあるようです。

4月8日 あいう
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